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2008年2月17日 (日)

環境分野で飯を食う

 福岡の専門学校の教壇に立つようになって6年程が立つ。2001年、「クマ探しの写真家」として高千穂に移り住んできたのは良いが、撮影活動の経費分すら稼げず、アルバイトで食い繋ぐのがやっとの生活だったところに、旧友を通じて講師業の誘いがあったのがキッカケだった。この学校ではペット業界・獣医業界向けの人材を育成するコースが中心なのだが、その中に少数ながら自然環境や野生生物を専門に学んでいるコースがあり、僕は主にその学生達を教えてきた。
 僕がここで教えているのは、自然環境や野生生物に関すること、環境教育に関すること、そして環境関係の法律についてだ。これらの講議の準備、そして高千穂・福岡間の往復に労力と時間が裂かれることによって、「クマ探し活動」に向けるべき時間・体力・精神力が削られることにもなったが、もともと自分が興味を持って学んできた分野を若者達に教えるのは、やり甲斐のある仕事でもあった。
 もちろん、この仕事を得たことで「普通にご飯が食べられる生活」をやっと得ることが出来たし、そして後に結婚して家族が増えた僕にとっては、家族を養って行くための要となる仕事にもなった。「環境分野で飯を食う」のがとても難しいこの日本で、これは幸運なことだったのだろうと思う。
 が、一昨年あたりから、担当する学生の数が急に減り始めた。時代は「環境」だというのに、環境関係の求人も僕らが若かった時代とは比べものにならないくらい増えたし、実際そういう仕事に就く卒業生も増えてきた(多くの場合、高給・安定した職とは決して言えないが…)と言うのに、である。
 最大の要員は「少子化」「大学全入」のようで、学生数の減少は学校全体の問題だった。確かに、福岡でも一部の私立大学が閉校に追い込まれたりしているニュースは聞いた事がある。
 もともと僕が担当してきた環境系のコースは生徒数が少なく、経営上は赤字だったろうと思う(それでも学校側がこのコースを開設・維持しているのはすごい事だと思っていたのだが…)。そして、その少ない学生数がさらに落込んだ上に、他の「黒字」部門ですら学生数が減少している中では学校としても経営上無視できない事態となっているようだ。
 このような状況は1年程前から分かってはいたが、とうとう学校側が環境系コースの廃止を決断したようだ。僕の担当講議も来年度からは半分になり、再来年は全く仕事が無くなる可能性が高い。
 毎年この季節は、進路・就職先のことを心配しながら卒業生達を送りだすのだが、今年は自分自身、そして我が家族の問題として「環境分野で飯を食う」ことの難しさを噛み締めなくてはならない。

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