2007年8月23日 (木)

オオカミ本について

 最近、ニホンオオカミについての本が出版されて、その中に僕に関する記述がわずかながらある、という情報があったので、確認してみた。その本は、下記のものである。

ニホンオオカミは生きている 九州、祖母山系に狼を追う
西田智 著 二見書房 (ISBN:978-4-576-07096-4)

 2000年11月に、九州中部山域でニホンオオカミとされる動物の写真が撮影されて報道された一件があったが、その撮影者本人による著書である。
 僕は当時も今もオオカミ問題にはノータッチだが…2001年3月15日、その動物は四国犬であるという張り紙を某所で発見した。その時の話が先の書籍に記されているのだ(170-171ページ)。

 ただ、記述に不正確な部分があるため、公の場で指摘しておきたい。
 まず、この本の中では「桑原智明」と紹介されている僕の名前は、正しくは「栗原智昭」である。僕は西田氏と一度だけではあるが直接お目にかかったことがある。たぶん名刺くらいはお渡ししたと思うが…たぶん、誤植を校正段階で見落としたのだろう。
 それはともかく、次の点は自分自身の名誉のために指摘しておきたい。
 この本の中で、僕のホームページ上の記述として5行の文章が引用されており、この中で上記の張り紙の発見場所(すなわち、西田氏のオオカミ?撮影地)を明記しているかのように書かれている。しかし、実際にはこの文章は野生生物保護・研究の関係者向けのメーリングリストに向けて発信したものであり、不特定多数の人々が見るであろうホームページ上には場所は明記してはいない。下記を参照して欲しい。当時の僕は、問題の場所の公表について僕なりに神経を使ったつもりである。

http://homepage3.nifty.com/muzina-press/bearday3.htm  (当時の日記。この中の3/15の記述)
http://homepage3.nifty.com/muzina-press/wolf.htm    (張り紙に関する記述)

 

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2007年8月16日 (木)

雑誌掲載

 僕の撮った写真と拙文が、下記の雑誌に掲載されたのでご案内しておきます。掲載号は今月15日に発売されています。
ガルヴィ(実業之日本社)9月号 「地球の旅人」のコーナー(P90)
※オートキャンプとRV車を主テーマとしたアウトドア誌
内容はアフリカで撮影したゾウの川渡りの写真と、これにまつわる書き下ろしの短いエッセイです。

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2007年6月 8日 (金)

男が知りたい女のからだ

 先日の出張中、福岡の書店で偶然見つけ「これは面白そうだ!」と購入した新書本のタイトルである。ちょっとエッチな響きだし、表紙もセミヌードの女性の上半身の写真で、正直言って、レジに立つスタッフが男性であることを祈った(残念ながら、若い女性スタッフだった)。
 だが、自然科学分野の入門書シリーズとして有名な「講談社ブルーバックス」の中の一冊で、著者も女性産婦人科医師だけあって、内容はいったて真面目である。「大人の男性のための性教育読本」といったところだろう。
 第2子の出産が間近の僕が、なんで今さら、と思われるかも知れないが、妻の妊娠出産を目の当たりにしていると、女性の身体に特有の劇的な変化と絶妙なサイクルに感心するし、またそんな身体を持って産まれた女性の大変さも何となく分かって来た。妻と一緒に読んだ育児雑誌の記事である断片的には理解したつもりだったが、こういうまとまった本を探していたのだ。
 本書は表題の通り、男性からの87の質問に対して筆者が答える形式で、女性の身体にまつわることが解説されている。妊娠や出産に関係したことを中心だが、思春期や更年期についても解説されているので、妻や娘の身体の変化に向き合いながら生きていく男にとっては、年代を問わず参考になるだろう。
 そしてもうひとつ重要なのが、本書の内容が「男が知りたい事」である以上に「女として男に理解して欲しい事」という、筆者からのメッセージである点だと思う。勝手な思い込みと軽はずみな発言で、パートナーを傷つけないように…と。
 また、この本のことを紹介したら妻を始め、女性達にもとても好評だったのが面白い。やはり、女性達もみんながみんな自分の身体の事をちゃんと理解できているわけではない、ということだろう。


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2007年6月 1日 (金)

ゼロからわかる民法

 このブログ(サイト)の読者や「写真家」「熊探し屋」としての僕しか知らない人には意外なことかも知れないが、僕が専門学校で教えている重要な科目に「法律」がある。正確には、環境問題、特に自然環境とか野生生物とかに関係する法律を中心に教えている。
 もちろん、僕は法律の専門家ではないし、学生達だってそうなのだが、自然や野生生物に関わる問題を扱ったり、まして保護活動に関わろうとすると、こういった法律の知識があるとないとでは物事に対する理解が違って来るのだ。そもそもは、かつて学生時代に別の学校から同様の講議の依頼を受けたのがキッカケだったが、ともかく、僕なりに関係する法律を独学で学んで来た。
 そんな僕が講議で語る法律は、当初は「環境基本法」だったり「自然公園法」だったり「鳥獣保護法」だったり「種の保存法」だったり、ともかく直接・間接に自然や野生生物と関係したものばかりだった。いまでも、こういった法律がすごく重要な位置を占めていることには変わりがない。
 ただ近年、「それだけではダメ」と勉強して講議のテーマにも加えたのが「民法」である。国民一般の日常生活に最も密接に関わる法律で、物の所有とか取引とか、あるいは家族関係や相続に関わる基本的なことが決められている。これがどうして自然に関わるのかというと、例えば「水や空気は誰のもの?」「森は誰のもの?」など、自然物の一次的な帰属(心情論は別にして)の問題への答えがこの法律の中にあるからだ。自然保護関係の法律が定める各種の「規制」は、このような民法上の帰属関係を前提としたうえでの例外措置なので、基礎としてそういったことを知っておく必要があるのだ。
 あと、個人的には高千穂で住む家(土地)を物色している身であるが、不動産取引についても多くの規定が民法にある。最近話題になる、離婚女性が産んだ子供の問題とかもやはり民法の規定に基づいている。
 僕が最初に民法を勉強した時には、既にある程度法律を読んで理解する力が身についていたので、それなりのレベル解説書を参考にした。ただ、専門外の学生にも勧められるような、基礎的なポイントだけをまとめた本がないものか、とずっと探していた。
 で、最近になって発刊されたのが、表題の本である。民法のうち前半の「財産法」の内容を概説している。特に本書前半の「物権」の説明はシロートにも分かりやすい。後半の「債権」の部分は少し高度だが、社会人経験のある人なら理解できるのではないかと思う。
 ぜひ、今話題の民法後半部「家族法」についての続編を望みたい。

 

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2007年4月30日 (月)

私たちは繁殖している

 内田春菊の育児マンガに「私たちは繁殖している」という作品があるのは知っていたが、先日妻子と書店に行った際にその文庫版をみつけてしまい、1巻から5巻(注・文庫では巻数の代わりに順に「イエロー」「ピンク」「ブルー」「レッド」「グリーン」とされている)まで、順に買って読み切ってしまった。
 この作品は作者に言わせると、一応「フィクション」ということなのだが、おそらくはほとんどは自身の実体験に基づいた内容。ただ、個性的な生き方と過激なエロ系マンガでも知られる内田春菊がタダの育児マンガで終わるはずもなく、常識にとらわれない、そして時には「決してオススメはしません」と断りの入る出産&育児体験談の数々が面白い。その一方で、リアルタイムに子育てしいてる身としては共感できる記述が多い。「あ、こんな事しているのはうち(の子)だけじゃなかったんだ。」と、感心したり、ほっとしたり。
 そういう意味で、出産・育児の悩みを共感できるママ友が周囲に少ない方に一読をお勧めしたい。また、育児に非協力的な夫に読ませる、というのも手かも。
 単行本では既に6巻・7巻も出ているみたい。個人的には文庫化を待ちたいけど。

「私たちは繁殖している」をAmazon検索

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2007年2月 5日 (月)

田舎で起業!

 先日の寒波が、そして2月上旬というカレンダーがウソのような、ポカポカ陽気だった。
 さて、先日紹介した本と同じ著者(田中淳夫氏)の本「田舎で起業!」(平凡社新書)を読んだ。農山漁村で新しいスタイルの農業やユニークな新商品を手掛ける「起業家」たちの事例(成功例)を紹介した本だ。
 農業だろうが観光業だろうが、要はビジネスであって、成功するためには都会と変わらないビジネスセンスが要求されるのだな、とつくづく感じた。「地域づくりもビジネス」と言い切り、田舎起業を考える移住者だけでなく、村おこし、地域づくりに取り組む地元住民の方たちにもオススメの内容だ。ちなみに、高千穂町内の企業「つ○きハウス」も紹介されている。
 かく言う僕は、本来は「田舎暮し」とか「田舎で起業」とかの考えなしに、とにかくクマ探し・撮影活動の拠点として高千穂に住み着いたのがキッカケだったので特殊かもしれないが、ともかく今はこの田舎に暮らしながら家族を養っていかなくてはならない立場であるし、専門学校の仕事も、収入額は十分ではない上いつまでも当てにはできないのが実情だ。今は真剣に「どう稼ぐか」で頭を悩ましている。自分の「甘さ」への反省も含めて、いろいろ参考になる一冊だった。


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2007年2月 3日 (土)

田舎で暮らす!

 今週の福岡出張の際に購入した「田舎で暮らす!」(田中淳夫著・平凡社新書)という本を読んだ。
 福岡の街育ちの僕が中山間地の高千穂に生活しているのだから、僕は「田舎暮しを希望する者」ではなく間違いなく「田舎暮しを実践する者」に属する。その僕が今になってこんな本を手にとったのは、田舎に暮らしつつもなかなか「定住」に到らないもどかしさからだろう。
 この本の著者のことは、少し前にホームページで知ったが、いわば「田舎暮しジャーナリスト」のような活動をしている方だ。
 http://homepage2.nifty.com/tankenka/chosaku.htm
 本書にはいろいろな事例(成功例&失敗例)と共に、田舎暮しでぶつかるいろいろな現状が解説されている。
 読んでみて思ったのは「なんだ、どこの田舎も同じなんだなぁ…」ということ。特に、空き家は沢山あるのに、様々な理由で売買や賃貸にいたらず、移住者が住居問題で苦労する話。そーか、高千穂だけじゃなかったか…。一方で、移住者受け入れに積極的な自治体などの場合も安易に考えないように、と釘を刺している。そういうのに最近興味を持っていたので、ちょっとドキッとした。
 そして、僕が実際にやっているような田舎在住・都市通勤型のライフスタイルも、別に珍しくはなさそうだ。
 全般に「やっぱりそうなんだぁ(よそも…or他のみんなも…)」が多かったなぁ。
 家探しが難航し、正直なところ、最近は高千穂での生活継続に少しあきらめムードだったのだが、「どうせどこに行っても似たようなものなら、もう少しこの町にこだわってみようかな」と思えて来た。



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2006年8月27日 (日)

シダの図鑑

 先日福岡出張の際、大手の書店で新刊のシダの図鑑を手に取った。岡山県のアマチュア愛好家がまとめたものだ。
 僕は学生時代に植物学を専攻していたが、特に専門としていたのがシダ植物だった。植物学の世界においても決してメジャーとは言えない分野で、仲間からもよく「花の咲かない植物なんか研究して、面白いの?」とからかわれたものだ。
 シダ植物は確かに花を咲かせないし、一見するとどれも同じように見えるものが多い。僕だって最初の頃は本当に苦労したものだ。だが、その「同じように見えるもの」「目立たないもの」をひとつひとつ丁寧に認識して行くと、実は沢山の種類に分けられる。それが分かってくれば、なかなか面白い植物群なのだ。
 その後、僕自身の努力不足と才能のなさから、僕は植物学(研究)の世界から離れ、同時に「シダ植物」からも遠のいた。しかし、当時「生物の多様性」というものに真剣に向かい合った経験は、ナチュラリストとして生きる今の僕にとっても大きな糧になっていると感じる。
 今回見つけた新しいシダの図鑑は、専門的にシダを研究した経験のある(しかも、かなりの図鑑マニアである)僕の目からしても、かなり良い出来だ。良い意味でのアマチュアリズムに溢れ、「同定(種類を識別すること)を主目的とした図鑑」に徹していて、実用性が極めて高い。著者の手によるという写真図版も、なかなか大したものだと思う。
 かつて、野山でシダを観察しながら採集し、持ち帰っては図鑑と照らし合わせるのが無性に楽しかった、あの初々しかったころの気持ちを思い出させてくれた。
 

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